プロの指揮者と学べる第九アルト音取り発音のコツ

練習のコツ
ビアンコ先生
ビアンコ先生

今日は第九の合唱の中でも特にアルトパートの発音歌い方のコツを一緒に見てみましょう!

第九合唱アルトパートについて

第九のアルトパートはメロディーではなく、内声を担っていることが多くとても難しいですね!

ですので音を取ったり、アルトの皆さんだけで歌ったりと大変なことが多いです

今回は指揮者として合唱団の練習をさせていただく時に、「ここは遅れてしまうポイントですよ〜!」「ここの発音は気をつけていきましょう!」などの第九のアルトパートの難しいポイントを皆さんと一緒に解決できればと思っています

お手持ちの第九の楽譜をみながらぜひ、一つずつのポイントを確認していってみてくださいね!

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第九アルトパートを上手に歌うための7つのコツ

ポイント1 “Ja wer auch nur eine Seele”(285小節目)

ここの”Ja”は乗り遅れてしまうことが多いポイントの一つです

指揮者に「ここの入りはしっかりと!」と言われたご経験がある方もいらっしゃると思います

ここの”Ja”の入りが遅れてしまうのには原因があります

直前にソリスト4人が歌っていて、「ソリストが歌い終わったら次は合唱の出番!」と思いがちなのですが、そう思って歌い出すと、残念ながら指揮者の振っているテンポからは乗り遅れてしまいます

遅れないようにするには、少し乱暴な言い方ですが、ソリストを聴きすぎずに指揮を見て歌い始めることです

指揮者の合図とともに飛び込んでいくイメージを持って歌うとうまく遅れずに歌えることが多いです

発音のコツとしては「ヤー」ではなく「ィヤー」と小さい「ィ」を意識して歌うとよりドイツ語らしく聞こえます

ポイント2 “küsse gab sie〜” (313小節目)

ドイツ語には「ü」のようにアルファベットの上に点が2つあるものがあり、これを「ウムラウト」と呼びます

この「ü」の発音ですが「口は”う”の形のままで”イー”」と発音すると習うことが多いです

口の形は”う”とお伝えしたのですが、実際ドイツ語の「ü 」の口の形は日本語の「うさぎ」や「うどん」の「う」の形より、だいぶと狭い形になります

「うどん」の「う」よりは「うどんをすする時の口の形」と思って頂いた方が、上手に発音できると思います

日本語にない口の形をすることは、なかなか難しいですが、意識して練習していくと口の周りの筋肉ができていきますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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ポイント3 “Freude”発音の仕方(543小節目)

いよいよ第九の有名なテーマが登場します

最初の言葉は”Freude”です

ドイツ語の日常的に使う”r”の発音は、通常巻き舌は使わないのですが、舞台で歌う時はドイツ語の”r”は巻き舌を使います

少し乱暴な言葉使いですが大声で「コラァ〜〜!!」と怒鳴った時に「ラ」が巻き舌になることがあります

このようにドイツ語の「r」を歌う時にはをしっかり巻くようにします

“Freude!”の発音をさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてくださいね!

ポイント4 Alle Menschenの入り (567小節目アウフタクト)

楽譜を見て頂くと、Alle Menschen(アレ メンシェン) の上に「ff」(フォルティッシモ)があるので、ここからは特にしっかり歌っていきます

ですが、大体合唱団の練習をしていると、残念ながらこの部分が遅れることが多いです

どんな場合でも遅れる原因は直前に原因があることが多く、この場合は直前のgeteilt(ゲタイルト)にあります

geteiltの「-タイルト」の部分に時間がかかりすぎてしまうことが多いので、この「タイルト」の部分を思い切って瞬間的に言い切るようにします

そうすることによって、次のAlle(アレ)がしっかり歌える準備ができます

ポイント5 Diesen Kuss(607小節目アウフタクト)

ここのアウフタクトの入りはアルトパートの皆さんだけが歌います、一生懸命歌っていても指揮者から「アルトの皆さんもう少しはっきり!」と言われやすい場所の一つです

ここの歌い方にも少しコツがあります

まず、アルトの皆さんの”Diesen”の入りが遅くなってしまう時は、問題はその直前にあることが多いです

直前の歌詞”Millionen”の”-nen”の部分の処理が長くなっていると(「ね〜ん」←イメージ)、次の”Diesen”の入りが遅くなってしまいます

ですので”-nen”の処理を早めにすることを心がけると、次の”Diesen”の準備をする時間ができて上手にアウフタクトを歌うことができますよ!

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ポイント6 Seid um schlungen(655小節アウフタクト)

ここのアルトパートはアルトパートだけで突然”Seid”と歌いはじめます

ぜひかっこよく歌いたいですね!

でも合唱団の練習などでは「少し遅れていますよ!」「もう少しはっきりと!」と言われることが多い箇所です

アルトパートの皆さんが上手に歌えるようになるコツとしては、まず歌い出しの前に指揮者をしっかりとらえます、そして指揮者の振り下ろすところに向けて、しっかり「」と歌い始めます

メトロノームなどを使いながらアウフタクトの入りを練習していくのも効果的ですよ!

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ポイント7 Such’ ihn überm Sternenzelt”リズム(738小節目)

ここもリズムが少し難しく感じるところですね

合唱団の練習をしていると、ここの部分でどんどん速くなっていくことが多いです

ここが速くなってしまう原因は実は音符ではなく休符の取り方にあります

歌う時にはどうしても言葉や音符があるところを一生懸命歌ってしまいそうになるのですが、実はしっかりと休符をカウントするということもテンポ良く歌うコツになります

最後に

合唱団の練習をしていると、皆さんがよく練習されてきている印象を受けることが多いです

ただ、そんな中いつももったいないな〜と気になるのが皆さんの「歌っている時の姿勢」です

どうしても楽譜を持って歌っていると一生懸命歌うあまりに姿勢が悪くなってきます

せっかく練習してきても、姿勢が悪いとなかなかいい声が出ませんので、まずは体の中の「息の通り道」をしっかり作るいい姿勢で歌うことを心がけましょう

自宅で練習するときはプロの歌手の方々も「譜面台」を使用して練習します、うまく譜面台を活用しながら練習していくと効率がいいかもしれないですね!

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